仲間に慕われたエンターテイナー 森本稀哲が引き際に見せたピュアな思い

同学年の渡辺直人は引退の報告に涙、「数少ない尊敬できる野球選手」

 野球で全力を尽くし、活躍して、初めてパフォーマンスを認めてもらえる。17年のプロ生活の終盤は、プレーでは全盛期ほどは輝けなかった。その分、ベンチでムードメーカーになり、野球に尽くす姿勢を後輩たちに示した。

 だから仲間から慕われた。職人肌で同学年の西武渡辺直人は引退の報告を受け、涙が止まらなかったという。「数少ない尊敬できる野球選手だった。ああは見えるけど、とても繊細でマジメなやつなんです」と一面を明かす。

 9月27日の楽天との引退試合。8回は1番秋山翔吾から。森本は試合途中から守備固めで7番に入っていた。

「ヒチョリに回せ!」

 点差が開いた状況では全力疾走することの少ないメヒアが併殺を阻止するために必死に走った。2死となり直前の6番栗山は今季最大の重圧を感じながら、バットを短く持って出塁の確率の高い四球を選んだ。

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