仲間に慕われたエンターテイナー 森本稀哲が引き際に見せたピュアな思い
引退試合で見せたラストパフォーマンス
打席が回ってくることが決まった瞬間、ネクストバッターズサークルの森本は顔をクシャクシャにして号泣した。21日の引退会見では「目薬を持ってこようと思ったけど忘れました」と笑顔で終わったが、目薬をさす必要もなく、涙腺は決壊した。
スタンドからは「もう泣いてるよ」という笑いと、仲間との絆に感極まる男の姿にもらい泣きするファンがいた。
引退セレモニーでラストパフォーマンスも予想されたが、派手なことはしなかった。「もちろん考えたんですけど西武に入る時に『そういうのはそこそこにしとけ』と言われたので」と笑った。
だが根底には楽しませたいという思いが流れている。胴上げ。宙を舞いながら指先を変えた。プロレスラー武藤敬司の「LOVEポーズ」。パフォーマーとしてのピュアな思いだった。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count