投手デビューはイチローが“志願” 指揮官は「彼は自分で勝ち取ったんだ」

「1か月以上の間、マーリンズはイチローをマウンドに上げるチャンスを探していた」

 記事では「特筆すべきキャリアで、イチローは2357試合に出場した。3000本安打まで65安打とする2935安打を記録している。だが、彼はいつも投げたいと願っていた。毎日、ウォーミングアップでキャッチボールをする際には、ワインドアップで投げている」とレポート。イチローがこの瞬間のために準備してきたことを伝えている。

 そして、早々にプレーオフ進出争いから脱落していたマーリンズも、レジェンドの願いを叶えるタイミングを模索していたという。記事では「1か月以上の間、マーリンズはイチローをマウンドに上げるチャンスを探していた。8回に4点リードをつけられた状況は完璧だった」と指摘している。

 今季4番目の外野手としてマーリンズに移籍してきたイチローは、鉄人ぶりを披露。故障もなくチーム最多153試合に出場した。その一方、ヒット数はメジャー移籍後、初めて100本に到達できず91安打で終了。王貞治氏を上回る22年連続シーズン100安打の日本新記録を達成することもできなかった。

 打率は2割2分9厘と厳しい数字となっているが、若い原石の溢れるチームで最高の手本としてプロ意識を貫いたレジェンドに、ジェニングス監督は今季最後のマウンドを託すことで労に報いた格好だ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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