競技の垣根越えた画期的取り組み パ・リーグTVが女子ゴルフのネット配信実施へ

富士通側もファンに新しいゴルフ観戦価値を提供

 一方で、「富士通レディース2015」の主催者でもあり、国内のスポーツ界で様々な事業展開を図ろうとしている富士通株式会社流通ビジネス本部の中川絢太(けんた)氏は、「今回はプロ野球で培った富士通のインターネット配信技術のノウハウを活用して、ゴルフ観戦における新しい視聴スタイルをファンの皆さまに提供できるようにしていきたい」と語る。具体的には、「パ・リーグTV」で開発した映像の自動タグ付け技術を女子ゴルフにも横展開したり、選手が使用しているゴルフクラブをインターネット上のVOD映像をクリックするだけで購入できる技術などを駆使して、ファンに新しいゴルフ観戦価値を提供する予定だ。

「今回は実証実験も兼ねて行うが、今後は他競技も含めてスポーツとICT活用のフィールドをさらに広げていきたい」と中川氏は意気込む。

 まさに「スポーツxICT」の分野においては、2020年の東京五輪も控え、今後さらなる市場拡大していくポテンシャルが広がる。今回のケースのように「プロ野球」事例を「女子ゴルフ」などの他競技に横展開していくモデルは、インターネットの領域では非常に取り組みやすいものだろう。提供元と提供先のどちらのコンテンツホルダーにも、収益拡大ならびにコスト削減のビジネスメリットがあり、かつ今後ファンの拡大の観点でも、競技の垣根を越えた相互の取り組みに繋がる可能性もあるからだ。

 PLMの村山良雄社長は、「我々はプロ野球の事業会社ではあるが、インターネット配信に特に強みを持っています。スポーツ界全体にも貢献できる取り組みがあれば積極的に行っていきたい。それらで得られたビジネスノウハウは、提携先の競技とプロ野球ファン拡大のために再活用していく。そのビジネスサイクルを回せるようにしていきたい」と語る。

 今までの日本国内には無かった競技を超えた取り組みなだけに、今後の展開に注目していきたい。

※「富士通レディース2015」開催日は2015年10月16日(金)~18日(日)、特設ページ(http://fujitsuladies.pacificleague.jp/)は11月30日までオープンの予定。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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