ファイナル進出へ逆王手　有原の好救援に見る日本ハムの短期決戦での強さ

「栗山監督のうまさであり、日本ハムが短期決戦で勝てる秘密」

　有原の好投で流れを呼び込んだ日本ハムは8回、1死一、三塁とチャンスを作ると、レアードがセンターオーバーの同点打。さらに、矢野が勝ち越し2点タイムリーを放った。いずれも、この日は守備でも好プレーを見せていた2人の勝負強い打撃から生まれた得点だった。

　8回2死一塁で、有原が鈴木に打たれた左中間への大飛球を好捕し、その裏に決勝打を放った矢野について、野口氏は「元々、守備は悪くない。ジャイアンツで代打をやっていたころだって、他に（レギュラーが）いたから代打をやっていただけで、矢野の守備が悪くてあの役割になったわけではないので」と評価する。

　ただ、「あれも有原の好投が生んだ好プレーだという気がするし、それが生んだヒットだったとも思います」とも言う。

「もちろん、矢野はすごくいい選手で、ああいう良いプレーも絶対に出る選手なんですけど、すべての流れとして、有原がいいものを持ってきたのではないかと。有原のピッチングと（8回）最後の矢野のファインプレーが出た時点で、日本ハムの逆転のシナリオになっていた。それは栗山監督のうまさですし、日本ハムが短期決戦で勝てる秘密なのかなという気がしますね。

　チームは有原を先発に戻したいでしょうから、そうなった時にブルペンに入っていたピッチャーが投げないといけない。救援陣は最初の2試合で少し不安を見せてしまいましたけど、有原のピッチングを見て彼らも期するところがあるはずです。そういうところに期待したい。もしファイナルに進めば、もっと厳しい相手とやる。投手陣の奮起は必須なので」

　ポストシーズンで強さを見せる日本ハムは、崖っぷちに追い込まれた第2戦の終盤でようやく目を覚ました。ルーキーの好投が、チームを蘇らせたようだ。

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フルカウント編集部●文　text by Full-Count