CSファイナルに間に合った―ヤクルトの「ラストピース」バレンティンが復活
宮崎遠征最終戦で大暴れ、「『これでいける』という手応えができた」
ついにあの男が目覚めた。ウラディミール・バレンティン――。2013年にシーズン最多本塁打記録となる60発を放った規格外の大砲が、復活を遂げた。
14日から始まるCSファイナル(神宮)前の最後の実戦となった11日の宮崎フェニックスリーグ、韓国・斗山ベアーズ戦(西都)。7回の左越えソロに加え、二塁打2本の大暴れ。5打数3安打3打点で、宮崎遠征を締めくくった。
「最終日に自分でも満足できる打席になった。CSに向けていい自信になったし、『これでいける』という手応えができたよ」
14年ぶりのリーグ優勝を果たしたヤクルトにとってのラストピースが、バレンティンの復調だった。左太もも肉離れから復帰した9月18日の巨人戦(神宮)ではいきなりホームランを放ったが、5か月実戦から離れていた影響もあり、以降は打撃不振に陥った。復帰後の14試合では、42打数8安打、打率1割9分に終わっていた。
「まだ自分の納得いくスイングができていない。時間がかかるかもしれないけど、数多く試合に出て、生きたピッチャーの球に慣れるしかない」
リーグ戦終了後、1軍本隊は8日から宮崎入り。実戦勘を失わないために、練習試合とフェニックスリーグで3試合をこなした。だが、バレンティンは少しでも多く打席に立つために先乗りを志願。6日に宮崎入りし、本隊よりも2試合多い5試合をこなした。