第2次政権にピリオド 巨人・原監督が最後の起用で見せた選手への思い
愛情が見え隠れした最後の采配
ヤクルトに敗れた17日の試合は、捕手の小林誠司以外、野手をすべて使った。代走の切り札・鈴木尚広、2013年の日本シリーズで本塁打を放つ活躍を見せた寺内崇幸、阿部の不在時に加藤とともにマスクでカバーしてきた実松一成ら、サブメンバーもどんどん送り出した。自分を名将にしてくれた選手たちに感謝の思いを告げるかのようだった。
そして、9回2アウト。この試合で2本の長打を放っていた立岡宗一郎に代えて、高橋由伸を代打に送った。最後の最後にとっておいたベテランが空振り三振に倒れ、原監督の最後となった。
ファンの悲鳴も聞こえる中、原監督は神宮球場のレフトスタンドへ、応援してくれた一人一人に感謝の思いを伝えにいった。阿部らと握手し、言葉を交わした。
ひとつの区切り、新陳代謝の必要性を訴えて、原辰徳は巨人のユニホームを脱ぐ決意をした。時には冷徹に勝負に徹してきた指揮官だったが、最後の選手起用にはどこか愛情が見え隠れしていた。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count