コリンズVSマドン ナ・リーグ優勝決定シリーズは親友監督対決にも注目
メジャーで全盛の「シフト」を導入した2人
今でこそ、メジャー全体で盛んに使われる「シフト」と呼ばれる守備隊形を普及させたのは、マドン監督だと言われている。自ら考えたシフトをコリンズ監督に提案した時のことを、マドン監督は昨日のことのように覚えている。1997年のある日、「ネアンデルタール時代の産物のような、初期のコンピュータ分析結果」を持ってコリンズ監督のオフィスを訪ねたという。
「当時エンゼルスのテレビ解説をしていた(元タイガース監督)スパーキー・アンダーソンもいたんだ。そこでケン・グリフィーJrの打席の傾向と打球方向などをグラフィック図表にまとめたものを見せて、自分の考えを伝えたんだ。TC、今日の試合で守備隊形をシフトさせてみないかって。すると、いい考えだ、よしやってみようって、すぐにゴーサインをくれたんだ」
互いに手の内を知り尽くした両監督の対決は興味深いところ。まずはメッツが先手を打ったが、カブスも黙ったままでは終わらないだろう。第3戦以降どんな展開になるのか楽しみだ。
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佐藤直子●文 text by Naoko Sato
群馬県出身。横浜国立大学教育学部卒業後、編集プロダクション勤務を経て、2004年にフリーとなり渡米。以来、メジャーリーグを中心に取材活動を続ける。2006年から日刊スポーツ通信員。その他、趣味がこうじてプロレス関連の翻訳にも携わる。翻訳書に「リック・フレアー自伝 トゥー・ビー・ザ・マン」、「ストーンコールド・トゥルース」(ともにエンターブレイン)などがある。