「子供たちに伝えたい」―50歳まで現役・山本昌はなぜ怪我をしなかったのか
驚きの事実、「僕はアイシングもしたことありません」
生まれながらの体の強さも当然、あるかもしれない。だが、圧倒的な経験を誇る左腕は「怪我をしない投げ方はあります。これは将来、子どもたちにも伝えていきたい」と明言する。
具体的にはどういうことなのか。「大きく使うことですね。大きく使うこと――。これしか言いようがないですね。その場に行けば指導できますけど、言葉で説明するには」。山本昌はこう話してから、言葉を続けた。
「大きく使う準備ですね。ピッチングフォームであったり、キャッチボールのステップであったり、そういうことは言えます。大きく使う。もっと言うと、詰まらさないこと。ストレスのない(肩の)回し方、ストレスのない角度、ストレスのないリリース。そういうものが合わさって、肩を壊さない投げ方になる。投げれば(肩や肘に)ストレスはかかりますよね。これをどうストレスなく、少なく投げていくかということだと思いますけどね」
NPB史上初めて50歳でマウンドに上がった左腕は、驚きの事実を明かす。現在の野球界では当たり前となっている登板後のケアをしたことがないというのだ。
「僕はアイシングもしません。アイシングをしたことがないです」