目玉選手に流されず… 過去5年ドラフトで“一本釣り”に成功した球団は?
今季独走Vのソフトバンクのチーム最多勝右腕も一本釣り、投手3冠のあの右腕も…
目玉選手が少なく、1回目の指名では合計8つの競合があった2011年のドラフトは、“一本釣り”に出る球団も多く出た。
武田翔太投手(宮崎日大高)は高校時代に甲子園の出場経験はなく、3年夏は宮崎県予選の準々決勝で敗れている。しかし、この年、ソフトバンクが1位で指名すると、1年目から8勝(1敗)と結果を残し、今季は13勝(6敗)を挙げてチームのリーグ制覇に貢献。スカウトの鋭い眼力を感じさせる活躍だ。西武は十亀剣投手(JR東日本)が今季、自己最多の11勝(7敗)を挙げている。
広島は地元・広陵高校出身の野村祐輔投手(明大)を指名。1年目で9勝11敗、防御率1.98の好成績で新人王に輝くと、2年目も12勝(6敗)とローテーションで地位を確立した。2014年は7勝(8敗)、今季は5勝(8敗)と苦しんでいるが、即戦力として成績を残した投手といえるだろう。
阪神が指名した伊藤隼太外野手(慶大)は昨季52試合で打率.294と数字を出したが、今季は63試合で打率.252。来季こそは外野のレギュラーの一角を掴みたいところだ。
2012年は藤浪に4球団、東浜巨投手(亜大→ソフトバンク)が3球団、森雄大投手(東福岡高→楽天)に2球団が競合。この年、超大物選手が競合となっていない。
大谷翔平(花巻東高)は当時、高卒からメジャー挑戦を目指す意思を表明。日本ハムが単独で強行指名を行う形となった。右腕は結局、交渉によって入団を決意。今季、最多勝、最高勝率、最優秀防御率の3冠を達成し、球界を代表する投手に上り詰めた。
中日が指名した福谷浩司投手(慶大)は1年目は9試合の登板に留まったが、2年目の昨季はリーグ最多の72試合に登板し、32ホールド11セーブ。防御率も1.81でブルペンの柱として活躍した。今季は開幕から守護神を務め、19セーブ。シーズン中盤から打ち込まれることが増え、課題を残すシーズンとなったが、来季はシーズンを通してストッパーとしての活躍を期待したいところだ。
前の年に巨人入団を希望しながら抽選で日本ハムが交渉権を獲得し、入団を拒否して浪人していた菅野智之投手(東海大)は念願叶って巨人に単独指名されると、1年目から13勝(6敗)とエース級の働き。入団から3年間で35勝22敗と巨人のエースとして君臨している。