目玉選手に流されず… 過去5年ドラフトで“一本釣り”に成功した球団は?
西武はここ2年間一本釣りに成功、今季球宴出場の2年目フルスインガーも…
2013年は松井裕に5球団、大瀬良大地投手(九州共立大→広島)に3球団、石川歩投手(東京ガス→ロッテ)に2球団が競合した。
そんな中、西武が森友哉捕手(大阪桐蔭)の一本釣りに成功している。高校日本代表で正捕手を務め、打撃でも高い評価を得ていたが、高卒入団2年目で球宴出場を果たすなど、138試合出場で17本塁打、打率.287。ここまで結果を残すことは各球団も予想していなかっただろうか。
オリックスは吉田一将投手(JR東日本)を指名。1年目は5勝6敗で防御率3.81。2年目の飛躍が期待された今季は1勝(5敗)で防御率5.27と期待に応えられなかった。
2014年は有原航平(早大→日本ハム)に4球団、安楽智大(済美高→楽天)に2球団が競合した。
中日は野村亮介投手(三菱日立PC横浜)を指名したが、今季は3試合に登板するも結果を残せず。大学No.1左腕と評判だった山崎福也投手(明大)はオリックスが一本釣りに成功したが、即戦力という期待には応えられず、今季は3勝(6敗)。2年目の飛躍が期待される。
ロッテの中村奨吾内野手(早大)も即戦力という評判でロッテ入り。4月30日には1番・サードで先発出場すると、プロ初アーチとなる先頭打者本塁打をマークした。今季は111試合出場、299打席ともにルーキーではトップの数字だった。
巨人は高校球界一のスラッガー・岡本和真内野手(智弁学園)を獲得した。今季は終盤に出場機会を得て、プロ初本塁打も放っている。ソフトバンクが指名した松本裕樹投手(盛岡大附高)は怪我の影響で今季、ファームでも登板がなかった。
西武が一本釣りした高橋光成投手(前橋育英高)は素質の高さを存分に発揮した。8月2日にプロ初登板を果たすと、同9日のオリックス戦から9月6日のロッテ戦まで5戦5勝。8月23日のロッテ戦では完封勝利を挙げるなど、8試合の先発で防御率は3.07。高卒1年目ながら1軍の舞台で輝きを放っていた。
ドラフトの会場で各球団は事前に1位で指名する選手を決めている場合も多いが、指名選手を提出する直前で重複を避けるため、ライバル球団の動きを見つつ、会場で指名選手を変えることもある。
理想はノーリスク&ハイリターン。競合というチャンスにかけるのか、それとも確実な策を選ぶのか。運命の22日、各球団の駆け引きに注目してみるのも面白いかもしれない。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count