仙台育英の平沢と佐藤世、チームメートから対戦相手へ 「真っすぐ狙う」

佐藤世も無事に6位指名「全ての変化球の精度を上げたい」

 一方、平沢の会見や記念撮影などが終わっても、佐藤世那の名前は呼ばれていなかった。表情はどんどん曇っていく。チームメートも心配そうに会見場の後ろで祈っていた。

 ドラフト会議が始まって2時間以上が経ち、その時は来た。オリックスが6位で指名。息を吐き、表情が緩んだ。

「待っている時はドキドキがすごかったので、今はホッとしている状態です」と安堵した佐藤。その隣で佐々木順一朗監督も「本当に指名されるんだろうかという不安があったのでもの凄く嬉しかったですね」と喜んだ。

 独特の投球フォームから繰り出す最速は146キロだが、スピード以上の強さがある。フォークの精度も高校生のレベルではない。その直球とフォークに加え、「全ての変化球の精度を上げて、いろんな球種で勝負していけたらいいなと思います」と話した。プロで戦い抜くには、さらなるベレルアップが必要であることを感じている。

 平沢も佐藤もパ・リーグの球団から指名を受けた。1軍で対戦する可能性は十分にある。

 佐藤が「今の段階では想像ができないですけど、真っすぐで押して、いろんな球種を使って三振を取りにいきたいなと思っています」と言えば、平沢は「フォークは打てないと思うので、真っすぐを狙っていきたいです」と応えた。この夏、甲子園を湧かせた仙台育英の平沢と佐藤。2人の関係はチームメートから対戦相手に変わる。

【了】

高橋昌江●文 text by Masae Takahashi

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY