オコエが第2の山田に? 過去5年のドラフト外れ1位の活躍を振り返る

2014年、DeNAの外れ1位右腕が新人最多セーブ記録を更新

 松井裕樹投手(桐光学園)に5球団、大瀬良大地(九州共立大)に3球団、石川歩(東京ガス)に2球団が競合した2013年。この年は現段階では彼ら目玉選手を越える活躍を見せている外れ1位選手は少ない。

○杉浦稔大投手(国学院大/大瀬良を外したヤクルトが獲得)

 杉浦はヤクルト、ソフトバンクが競合。今季は7試合で1勝3敗に留まったが、CSファイナルでは日本シリーズ進出を決めた第4戦で先発し5回2失点と粘りの投球を見せるなど、将来のエース候補として期待されている。

○小林誠司捕手(日本生命/石川を外した巨人が獲得)

 巨人はロッテとの競合で石川を逃し、小林を指名した。広陵高では野村祐輔(広島)とバッテリーを組み、同志社大では主将を務めるなどエリートコースを歩んできたアマチュアNo.1捕手との呼び声も高いプレイヤーだった。

 入団後、阿部慎之介という絶対的捕手がいる状況ながら、63試合に出場。プロ初本塁打を放つなど、打率.255の成績で存在感を見せた。チームの控え捕手という位置づけながら、2014年オフには日米野球の日本代表に選出され、今年も開幕前の欧州代表との親善試合でも侍ジャパンの一員としてユニホームに袖を通している。

○その他の外れ1位選手は……

 松井を外した中日は鈴木翔太投手(聖隷クリストファー)を指名。同じく松井の抽選に漏れたDeNAは柿田裕太投手(日本生命)を日本ハム、阪神との競合の末に獲得したが、右腕は社会人からの即戦力を期待されての指名にも関わらず、入団以来1軍登板がない。

 松井、杉浦と外したソフトバンクは加治屋蓮(JR九州)を指名。3軍との交流試合でも登板をしていた地元社会人チームの右腕を獲得したが、未だ1軍登板なし。今季はウエスタン・リーグで33試合に投げて防御率3.65の成績が残っている。

 大瀬良、柿田を外した阪神は岩貞祐太投手(横浜商大)を日本ハムとの競合の末に交渉権得た。即戦力左腕として入団したが2年間で2勝5敗、防御率4.50。入団時の評判に応えられていない。松井、柿田、岩貞と獲得を逃した日本ハムは渡辺諒(東海大甲府)を獲得している。

 有原航平投手(早大)に4球団、安楽智大投手(済美高)に2球団が競合した2014年は、DeNAの外れ1位投手が新人記録を塗り替える活躍を見せた。

○山崎康晃投手(亜大/有原を外したDeNAが獲得)

 有原を外したDeNAは山崎康晃投手を阪神との競合の末に獲得した。今季は守護神に抜擢されると、37セーブと新人最多セーブ記録を塗り替え、新人王が有力視されている。

○野間峻祥外野手(中部学院大/有原を外した広島が獲得)

 広島の外れ1位の野間峻祥外野手は打率.241ながら127試合に出場。将来の外野の一角を担うことが期待される。巨人の岡本和真内野手(智辯学園高)も終盤に1軍に昇格し、プロ初アーチをマークした。

○その他の外れ1位選手は……

 有原、山崎と外した阪神は横山雄哉投手(新日鉄住金鹿島)を獲得。安楽を外したヤクルトは竹下真吾投手(ヤマハ)を獲得した。

 こうして見てきた外れ1位の選手たち。山田哲人や山崎康晃ら、競合が生まれた目玉選手を凌駕する活躍を見せている選手を有する球団のファンはもしかしたら「最初の競合で外していてよかった……」と思っているかもしれない。

 目玉級の活躍とはいわずとも、増田達至、安達了一らチームのレギュラーとしてなくてはならない存在になっている選手も数多い。もちろん、まだ頭角を現していないだけで、今後飛躍を遂げる選手たちも存在するだろう。

 最初の指名で獲得した選手が入団することがその時点でベストな結果であることは言うまでもないが、プロの世界は入ってからは横一線。オコエ瑠偉、小笠原慎之介らをはじめ、今年の外れ1位選手たちがどのような活躍を見せるのかにも注目したい。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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