メジャーの真の守備職人は? 2015年のフィールディング・バイブル賞発表
歴代最高のDRSを記録したキーマイアーと常連の名手シモンズ
いずれの選手も、目安として15を超えればゴールドグラブ賞級といわれるDRSが高数値を記録している中、特に目を引くのが満場一致で選出されたレイズの中堅手、キーマイアーだ。今季記録した+42という脅威的なDRSは、2003年に集計が始まって以来、全ポジション通じて歴代最高の数値となっている。
今年はレギュラー1年目でありながら、その守備範囲の広さと捕殺数15という強肩、そして度々見せたフェンス際でのホームランキャッチなどで、一躍その名をとどろかせた。ゴールドグラブ賞とのダブル受賞も充分に予想される。
そのキーマイアーに今年抜かれるまで歴代最高の数値を記録していたのが、3年連続の受賞となった遊撃手のシモンズだ。フィールディング・バイブル・アワードの公式サイトでは規格外の強肩と守備範囲で日本のファンにも認知されているシモンズについて「まだキャリアは短いシモンズだが、既にオジー・スミスと比較してもなんら遜色はない」と寸評し、現役最高峰の守備的遊撃手と位置づけている。
その他、ダイヤモンドバックスの主砲として打撃面でも評価されているゴールドシュミット、今オフにFAとなり大型契約が予想されるヘイワード、20勝を挙げア・リーグのサイヤング賞有力候補となっているカイケルが複数回の受賞となっている。
ダイナミックなプレーだけでなく、細かな数値や指標を紐解いて選手の能力を解析することもMLBの魅力であり、より深く試合を楽しむための秘訣と言えるだろう。キーマイアーやシモンズを脅かすような、新たな守備の名手の登場に来季も大いに期待が集まる。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count