来季大きく変貌へ― 中日、稀に見る大物の引退&退団ラッシュ

現役最終年も高い打撃技術を見せた和田、小笠原は2軍監督に就任

〇谷繁元信(引退)

プロ27年目。通算3021試合出場。打率2割4分、229本塁打、1040打点。

 ドラフト1位で入団した大洋(現DeNA)で、高卒1年目から開幕1軍入り。球団38年ぶりの日本一に大きく貢献した98年にはベストナイン、ゴールデングラブ賞に加え、「大魔神」佐々木主浩と最優秀バッテリー賞を受賞した。

 02年にFAで中日に移籍し、強肩と強気のリードで球界を代表する捕手として君臨。岩瀬仁紀、川上憲伸、吉見一起らとのバッテリーで常勝時代を支え、4度のリーグ優勝と07年の日本一を導いた。ゴールデングラブ賞6度。13年に捕手史上3人目の通算2000安打を達成。14年に選手兼任監督に就任した。初年度から積み重ねた27年連続本塁打はプロ野球最長記録。今季、野村克也の持っていた3017試合を上回り、通算試合出場数の日本記録を達成した。来季は兼任が外れ、指揮官として3年目のシーズンに挑む。

〇和田一浩(引退)

プロ19年目。通算1968試合出場。打率3割3厘、319本塁打、1081打点。

 独特のオープンスタンスの構えから鋭い打球を放ち、05年に打率3割2分2厘で初の首位打者を獲得するなど、西武で主軸を担った。08年にFAで中日に移籍。リーグ優勝した10年には打率3割3分9厘、37本塁打、93打点でMVPに輝いた。ベストナイン6度。

 昨季は通算2000安打まで残り15本で故障により離脱したが、今季、史上最年長となる42歳11か月で達成。大学、社会人を経由した選手では史上3人目の快挙だった。8月には落合博満以来のセパ両リーグ1000安打を達成。現役最終年も234打席で打率2割9分8厘を残すなど、高い打撃技術は健在だった。

〇小笠原道大(引退)

プロ19年目。通算1992試合出場。打率3割1分、378本塁打、1169打点。

 日本ハム時代の99年に「バントをしない2番打者」として25本塁打を放ち、初めて規定打席に到達。02年から2年連続首位打者に輝き、06年には本塁打、打点の2冠。初のMVPも受賞した。FAで巨人に移籍した07年には史上初の2年連続MVP。両リーグでの受賞は江夏豊以来2人目だった。

 巨人ではアレックス・ラミレスとクリーンアップを形成し、リーグ3連覇を牽引。11年には名球会入りも果たしたが、出場機会の激減を受けて14年に2度目のFAで中日に移籍。代打で9打席連続出塁を記録するなど存在感を放った。ベストナイン7度。ゴールデングラブ賞6度。持ち味のフルスイングを貫き、「ガッツ」の愛称で親しまれた。来季からは中日の2軍監督として、後継者の育成に取り組む。

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY