22歳が見せた覚悟とプライド、前SB育成・白根尚貴が“一発勝負”に出た理由

トライアウトでは2本の長打含む7打数3安打、背水の挑戦も清々しさ見せる22歳

「今日は三振しなかったのが一番。狙い球が外れても、ファーストストライクから、とにかく強く凡退でもいいから外野に飛ばすというのを考えていた。一番嫌だったのは当てただけのゴロだったり、まあ1打席ショートゴロありましたけど、いい打球ではなかったですが、振った結果の凡打でした。自分的には強く振るというアピールポイントは見せつけられたと思います」

 2011年のドラフト4位で入団当時、「島根のジャイアン」と呼ばれ、体重も104キロだった。その巨漢の内野手はプロ4年間を過ごした今、90キロとなり、顔つきも引き締まった。今季から育成契約に変更となる中で地道に努力してきた成果を、この日、精いっぱい見せつけた。

「ホームランを打ちたかったとか、欲を言えばきりがないです。でも長打が出て、自分の得意である右打ち、右中間への長打が出た。満足したかと言われると満足していない部分も多少あるのですが、らしさは発揮できた。後悔はしていないので、今の所は全部出し切れたと思います」

 全打席を終えて7打数3安打。上野大樹(前ロッテ)からは右中間への三塁打を放つなど、広角に持ち味の打撃も披露した。

「ここからはもう連絡を待つだけの立場なので、最後の打席凡退するときにも現役最後の打席のつもりで入った。最悪のケースも想定している。そのなかで支配下選手として入れていただける球団を待つだけですね」

 自ら退路を絶った後の一発勝負。崖っぷちの立場のはずだ。しかし、4年目の22歳は「決断をしてよかったと心から思っている。残っておけばよかったという思いは全くない」と清々しかった。

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