プレミア12初代王者へ、侍ジャパンの「勝利の方程式」が見えてきた!?
本職が救援の投手を中心に勝ちパターン確立へ
指揮官が2戦目のメキシコ戦後に「普段、先発してるピッチャーが中に回ってもらって、違うところでやる難しさが出たと思う」と明かしたように、ここまでは中継ぎで登板した“スターター”の苦戦が目立つ。
メキシコ戦では、2番手の西、3番手の大野がそれぞれ1失点。この日も、小川が同点2ランを浴びた。各球団のエースが救援で失点を喫しており、無失点に抑えたのは韓国戦で大谷の後を継いだ則本くらいだ。
一方で、2013年WBCで守護神を務めた経験のある牧田、そして日本ハムの守護神・増井はメキシコ戦で快投。巨人のクローザー澤村は9回に登板して同点打を浴びたものの、リリーフとして経験豊富なピッチャーが結果を残している。
さらに、この日は山崎、そして韓国戦でも無失点投球だった松井が好投。小久保監督は「(2人の継投の)間に増井を入れるということも考えてましたけど、松井が最後というのは決めてました。松井はヒットは打たれてますけど、ゼロで来てますので」と話した。
つまり、守護神・松井、そしてセットアッパーは増井か山崎というイメージは固まりつつある。ここに長いイニングも投げられる則本・牧田を加えることで、先発投手が5回まで投げれば白星が見えてくる。小久保監督が「ホームラン以外は素晴らしい投球だった」と評価した小川も、重要な局面で投入される可能性はありそうだ。
準々決勝からは負ければ終わりの一発勝負になり、失敗は許されなくなる。所属球団でも救援が本職の選手を軸に、侍ジャパンがプレミア12初代王者へ向けて盤石の投手リレーを作り上げていく。
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清水友博●文 text by Tomohiro Shimizu