育成力が混セを抜け出すカギ? 結果出したヤクルトを他球団はいかに追うか

じっくり育てる中日は停滞、若手に厚み出つつある阪神

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野手の年齢別分布と退団状況

 次に、同じくベテラン化が進行する中日に注目する。特徴として25歳前後の大半が二軍の試合にしか出場しておらず、一軍に定着できていない様子が確認できる。これは、主力になれないまま中堅層に当たる年齢を迎える野手の多さを示している。

 中日の落合博満GMは監督時代から、「20代の間は土台を作る時期」という寛容なスタンスで知られており、そうした野手育成に対する姿勢が目に見える形になっているようだ。しかし、そうしたスタンスで育てた中日の野手が、以前のような貢献を生み出せなくなっているのも事実であり、落合GMの方針は行き詰まりを見せていると言える。

 27歳頃に働き盛りを迎える一般的な野手の成長曲線から考えると、20代後半以降はあまり成長が期待できないため、この年齢を迎えても一軍に定着できない野手には見切りをつけ、より若い選手に入れ替えていくべきなのかもしれない。

 阪神の一軍は、打席数で重み付けした平均年齢が12球団で最も高くなっている。打線の中軸を担った鳥谷敬、福留孝介、ゴメス、マートンの4人は30代を迎えており、一刻も早い世代交代が必要な状況だ。

 しかし、阪神首脳陣は打つべき手は打っているようである。ベテラン化の著しい一軍とは対照的に、二軍の年齢分布はセ・リーグの中では左に寄っており、積極的に若手野手を起用する方針がうかがえる。世代交代の準備は着々と進められていると見てよいだろう。

 二軍における個人成績を見ても、既に一軍に定着しかけている梅野隆太郎と江越大賀、ウエスタンリーグで規定打席に到達し、4位の打率を残した中谷将大など、20代前半で優秀な成績を残している野手も目立っている。ベテラン化の進む3チームの中では、阪神が最も早く世代交代を完了させるのではないだろうか。

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