去就決定前から米国内でも注目高まる前田、MLBで好成績を残せる可能性は?

「(先発)1、2番手じゃないほうがいい」「シルバースラッガー賞を獲れる」

 現地の報道では、前田はメジャーではローテーション3番手以降の投手と分析されている。エースの条件の1つである200イニング登板は難しいとの指摘もある。ただ、野口氏はそれでいいと見ている。特に、移籍1年目は順応する必要があり、中4日で投げ続けるタイトなスケジュールにも慣れなければいけない。

「前田の場合、登板を1回飛ばし、2回飛ばしというのは絶対にあると思うんです。どこかで故障者リストに入るとか。だから、200イニングは厳しいかもしれないですね。170イニングにいったらいいほうかなと、だから、1~2番手という位置づけじゃなくて、3、4番手、もしかしたら5番手くらいの位置づけなのではないかなと。でも、それでいいと思うんですよ。1、2番手になると、相手のエース級と投げていかないといけないので、勝ち星は増えていかない。

 黒田は2番手でとにかく勝てなかった。防御率3点台前半で負け越しとか、本当に気の毒でした。4番手で2桁勝てれば十分。エース格とか、2番手とか3番手とか、そういう数字にこだわらないほうがいいと思います。まずはスターターのスポットに入ること、5人の中に入ることが大事なので。そこに入れば、何番手とかは気にしないほうがいい。むしろ、1、2番手じゃないほうがいい」

 そして、野口氏は最後に冗談交じりで、ナ・リーグ球団への移籍を勧めた。前田の高いバッティングセンスを生かすためだ。代打の切り札としても起用されるなど、強打者として知られるジャイアンツの左腕マディソン・バムガーナーとのタイトル争いにも期待しているという。

「ナショナル・リーグに行って、打席に立ってほしい。打席に立ってバムガーナーや、カーショーからホームランを打ってほしいです。バムガーナーとは、ピッチャーのホームラン争いをしてほしいですね。6、7本のホームランを打ったらシルバースラッガー賞を獲れるでしょう」

 前田ならば、各ポジションで打撃に優れた選手を1人ずつ選出するシルバースラッガー賞の投手部門での選出も狙えると見ている。

 まだポスティングの申請も決まっていないが、日米両国で前田のメジャー挑戦への期待が高まっている。カーブ、スプリットの使い方も含め、どんなスタイルでメジャーの強打者たちに挑んでいくのか、注目が集まるところだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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