巨人FA移籍の悲喜 入団後に待つ喜びと苦悩
移籍が評価されるかされないか、成功を印象付けるポイントは?
期待をされている分、それが自分への高いハードルにもなっている。
一昨年のオフにFAで西武から移籍した巨人の片岡治大内野手が2年契約の2年目を終えた。先の契約更改では900万円ダウン、8600万円でサインした。「ジャイアンツに来て2年、ほとんど仕事してませんし、悔しい気持ちでいっぱいです」。6月11日の日本ハム戦の試合中に右のふくらはぎを負傷しチームを離れたことをはじめ、ケガに苦しんだシーズンだった。
パンチ力のある打撃で決勝アーチなど勝利に貢献した面もある。移籍2年目の今季は113試合に出場し、2割4分4厘、10本塁打、36打点。4月16日のDeNA戦では通算300盗塁も決めた。それでも本人は「そこから、盗塁数の数字は伸びなかったので、ジャイアンツに何をしにきたのかな……」と苦しい胸のうちを明かしている。
2007年には38個で盗塁王。翌年以降も、50、51、59と数字を伸ばし、4年連続盗塁王という輝かしい成績を残した。しかし、ふくらはぎのケガもあり、今季は21盗塁。自慢の足が好調の時は出場試合数も多いが、負傷で試合に出られなければ、盗塁数も減り、納得のいくパフォーマンスができない。巨人2年間で盗塁数は合計で46個。片岡が巨人に来て、「何もできていない」と言ったのはそういう要素も含まれている。
2013年オフ、1年間ローテーションを守れるだけのスタミナと体の強さがあるとして、広島からFA移籍してきた大竹寛投手も、不本意なシーズンを過ごした。