巨人FA移籍の悲喜 入団後に待つ喜びと苦悩
優勝請負人として巨人にFA移籍してきた選手たち
現状維持の1億円でサインをしたが、今季はたった3勝に終わったことを見れば、期待を裏切ったと言われても仕方がない。昨年オフ、太りやすい体質の改善やケガをした右肩への負担軽減のために減量をした。好物のラーメンを断ち、夜はウインドブレーカーを来て、汗だくになりながらランニングもした。結果、5キロ減などの一定の効果は出たが、ボールの威力が落ち、思うようなピッチングができなかった。
「体重は落とせたが、ちょっと失敗した」。来季は契約最終年。「ちょっと失敗」ではもう許されない立場となった。
巨人はこれまでも優勝請負人として1993年オフの落合博満氏、1996年オフの清原和博氏、1999年オフの工藤公康氏、江藤智氏、2006年オフの小笠原道大氏、2011年オフの村田修一、杉内俊哉らをFAで獲得してきた。その中で、成功か失敗かの定義はないが、優勝、日本一への貢献度やいかに若い選手たちへの影響を与えられたかが、成功を印象付ける一つの物差しと言える。
落合、工藤、江藤、小笠原、村田、杉内はシーズンを通じて、リーグ優勝などに貢献。清原は2000年、2002年と日本一にはなっているが、シーズン中はケガとの戦いで満足いく成績は残せていない。しかし、2002年の西武との日本シリーズでは松坂大輔から本塁打を放つなど、優秀選手賞に輝いている。杉内も2012年の日本シリーズは投げていないが、移籍1年目でノーヒットノーランなどを達成するなど存在感は際立っていた。