巨人FA移籍の悲喜 入団後に待つ喜びと苦悩
来季、正念場を迎える選手たちも
また、落合はその後の松井秀喜、工藤は村田善則捕手(現巨人バッテリーコーチ)、山口鉄也、小笠原氏は坂本勇人、亀井善行、長野久義らに練習の姿勢、技術指導、アドバイスを送るなどして、チームの主力になるきっかけを与えた。全盛期のような成績は残せなかったが、江藤や2005年オフに加入した豊田清(現1軍投手コーチ)も指導者として巨人に戻り、若手育成に定評がある。来季の高橋由伸監督の新体制も支えることになる。
一方、現役では村田が今季、成績を落とし、優勝を逃した戦犯とされた。昨年は相川亮二、金城龍彦を獲得。相川もケガが続き、1年を通じて貢献できなかった。金城はこのオフに引退し、3軍打撃コーチに就任している。
功績を残せたか残せなかったかの線引きは明確ではないが、巨人にFA移籍した選手の多くの最後は球団を去っている。結果を残さなければ、代わりの補強が来る。そうなれば、特別扱いはなく、試合に使われない。厳しいサバイバルの中でプレッシャーを力に変えるのか、落ちていくのか、その分岐点で印象度は変わっていく。
今年も片岡の人的補償で西武へ移籍した脇谷亮太がFAで巨人に戻ることになった。来季、単年契約の片岡にもライバルがまた増える。大竹も3年の複数年契約最後の年。新人では即戦力投手・桜井も加入し、高木勇人、田口麗斗ら若手の台頭も著しい。村田も3年契約の最終年。高卒2年目の岡本も育てながら起用されていくだろう。杉内も4年契約が満了。股関節の手術で来月はリハビリになるため、単年契約になることが予想され、勝負の年となる。
期待に応え、好成績やチームへの功績を残せるか。FA移籍は華やかなようで、道は決して楽ではく、険しい旅路なのだ。(※金額は推定)
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count