栗原、坂口、久保… 再起を期す選手たちは新天地にハマるのか?
再起を期す選手たちは輝きを取り戻せるか、栗原にとって楽天は「1番いいチーム」
今オフも多くの選手が所属球団から戦力外通告を受けた。このまま現役生活に別れを告げたり、社会人や独立リーグなどにステージを移す者がいる一方、他のNPB球団にその力を認められ、違うユニホームで再スタートを切る選手もいる。
厳しいプロ野球の世界で、かつて一時代を築いた選手は、復活を遂げることはできるのか。そして、獲得した球団は一度は所属先を失った選手を戦力として活用できるのか。ヤクルト、日本ハム、阪神、DeNAの4球団で捕手として活躍した野球解説者の野口寿浩氏は、まずは近年は肘の故障に悩まされ続けてきた広島の元主砲の復活に期待を寄せる。
「栗原は、しっかりバットを振れる肘の状態でさえあれば、活躍すると思いますよ。本当にいいバッターです。ポイントを近くして(ボールを)押し込めるし、右にも長打を打てる。全ては肘の状態じゃないでしょうかね」
広島からプレー機会を求めて自由契約となった栗原健太内野手は、秋季キャンプ参加後に楽天と契約。08年には打率3割3分2厘、23本塁打、103打点をマークするなど、不動の主砲として低迷期の広島を支えた強打者の凄さはどこにあるのか。
阪神在籍時に「栗原とは散々、対戦しました」という野口氏は「そんなにたくさんホームランを打つタイプではないです。ホームラン王を獲るかといったら、そこまでではない。どちらかと言うと、広角に打ち分けるタイプ。スプレーヒッターというんですかね」と打撃技術の高さに一目を置いている。
「嫌なバッターですね。ポイントが近いから『よし、見逃した』と思ったら、そこからバットが出てくるんですよ。詰まりながらでも、ガツンとヒットを打つ。難しいところに『よし、決まった』と思ったら、ポイントが近いからクルッと回ってホームランを打つ。『これがホームラン(になるの)?』というのもいくつかありました。
それでいて、ケースによってはライト前にも打ってくる。『えっ!』というところからバットが出てくる。全盛期はどうにもならなかった。この上なく嫌なバッターでしたよ。井端の長打が出るタイプ。体さえ平気ならやると思います」
もちろん、肘の状態次第だが、山形出身の栗原にとって、新天地の楽天は理想的なチームだと野口氏は見ている。これだけの能力があるだけに、楽天にとっても大きな補強となる可能性が高い。
「ハマりそうですね。栗原にとって1番いいチームという気がします。(東北は)地元ですし、チーム事情も含めて。今まで“無風地帯”だったファーストに殴り込みをかけるわけですから。銀次もうかうかしていられなくなる。楽天としては(戦力外となった)ペーニャだったら、栗原のほうがというところだったんでしょう。
5番あたりに置いて『打点を稼いでくれ』と言われたら、かなり稼ぐと思います。ただ、梨田さんが監督になったので、近鉄で監督をやられていた時の吉岡のような役割をしてほしいのだと思うんです。ちょっと後ろに置いて『クリーンアップが塁に出た後にそれを返してきてくれ』と。そういうことをやりたいんじゃないかな。栗原が6、7番にいたら相手は嫌ですよ。『7番・栗原』って絶対に嫌ですね」