栗原、坂口、久保… 再起を期す選手たちは新天地にハマるのか?

坂口は「ヤクルトにいる外野手の中で能力は1番かもしれない」

 さらに、同じ楽天にはロッテを戦力外となった川本良平捕手も加入した。同じポジションを務めた野口氏は、この補強も楽天にとって大きいと見ている。

「オススメの選手です。ロッテは若くて将来有望な捕手が何人か一気に入ってきてしまった。川本にとっては気の毒だったなとは思うんですよ。伊東さんが監督をやっているうちに若い捕手を育てようという球団方針も、伊東さんの方針も分かるので。ロッテは田村、吉田、江村と、だいたい同じくらいの年。20代半ばくらいと20歳の捕手がいるので、そうなってしまいますよね。

 ただ、彼は使えば働くと思います。(ヤクルト時代に)古田さんについていい勉強もしてきているはずだし、そこに伊東さんの教えも加わっていると思いますし。キャッチャーですし、体は元気そうだから、33歳だったらまだまだこれからですよ。『まだいける』じゃなくて、『まだこれから』ですよ」

 楽天では、主将でもある嶋が捕手のレギュラーを務める。その座を脅かす選手を過去に何人も試してきたが、結局は誰もその枠割を果たせなかった。さらに、嶋は今季117試合出場で打率2割1分9厘と厳しい成績に終わった。チームリーダーの更なる力を引き出すためにも、この補強は効果的と言える。ただ、川本は嶋のバックアップにとどまらない存在だという。

「今まではどの選手も(嶋のライバルとして)『帯に短し襷に長し』みたいな感じでしたよね。でも、川本ならキャッチャー争いに殴り込みをかけられますよ。ヘタすれば嶋のことを食うかもしれないです。もちろん、嶋が良くなる可能性も絶対にあります。他のキャッチャーが入ってきた時よりも、川本が入ってきたほうが嶋の尻には火がつくでしょうね。

 川本は元々、バッティングが良かった選手。バッティングが良くて使われて、守備は後から勉強していって、という選手ですから。(リード面でも)年を取ってそれなりに勉強してきた蓄積してきたものが絶対にあるはずなんで、そのあたり(が良さ)でしょうね。打つ方は間違いなく川本のほうが上でしょうから」

 栗原、川本ともにレギュラー候補になれる選手だと、野口氏は見ている。

「とりあえず獲ってみようかではなくて、そういう意味で獲った気がします。特に栗原。あのバッティングは復活してほしいですね」

 一方、セ・リーグを制したヤクルトは2人の外野手を加えた。オリックスを自由契約となった坂口智隆と、日本ハムを戦力外となった鵜久森淳志だ。野口氏は2人とも実力には確かなものがあると指摘する。

「(坂口は)バレンティンを抜いて、今、ヤクルトにいる外野手の中で能力は1番かもしれない。今年のパ・リーグの外野手で見てもトップランキングですよ。ヤクルトはドラフトで(抽選に敗れて)高山を獲れなかったけど、代わりに坂口を獲ったのは、むしろプラスかも。高山がどれだけ成長するのに時間がかかるかと考えると、坂口のほうがよっぽど良かったかもしれない」

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