黒田は「A」も松坂は…2人の名投手に明暗、2015年の日本球界復帰選手を採点
「平成の怪物」は来季も「相当厳しい」
一方、同じマイナーから3年ぶりの復帰ながら、13年にはジャイアンツでメジャー15試合に出場した田中は、渡米前とほとんど変わらぬ活躍を見せた。シーズン中は右肩痛に苦しむこともありながらも、134試合に出場。野口氏は「メジャー帰りの中ではしっかりと成績を出したほうですよね。3番にも定着しました。成績を見たらBということになるでしょう」と評価した。
日本球界復帰が大きな話題となった2人の名投手は明暗が分かれた。MLBでは3年目の09年以降、厳しい選手生活を送っていた松坂は、開幕前に離脱して1軍登板なし。「平成の怪物」と呼ばれ、球界最高の投手として君臨したかつての輝きを復帰1年目では取り戻すことが出来なかった。
「何もやってないのでDでしょうね。来年以降も、投げられる状態になったところで、ソフトバンクの投手陣の中で勝負していかなきゃいけない。そうなってくると、相当厳しいと思います。何を言われてもしょうがないと覚悟して、一生懸命やるしかないんじゃないでしょうか」
野口氏は、来季以降も松坂には厳しい戦いが待っていると指摘した。
一方、先発ローテーションの柱として名門ヤンキースに欠かせない存在となり、メジャーでも確固たる地位を築きながら日本球界に8年ぶりに復帰した黒田は、ファンの大きな期待に応えた。先発の軸として十分な成績を残しただけでなく、その存在自体が広島に大きな影響を与えたと、野口氏は分析する。
「成績だけじゃなくて、プラスアルファの部分がありました。周りの人間に与えた影響も考えれば、文句なしのAでいいのではないでしょうか。本当に広島のピッチャー陣に“先生”としていい影響を与えたと思います。しかも、自分の成績も出した。メジャーの時と同じように投げた感じでしたね」