森友哉が来季再び捕手へ―西武&本人が「捕手・森」にこだわる理由とは

「レギュラーで40歳近くまで正捕手で試合に出たい」

 森が指名打者を占めることにより、起用の選択肢が狭まる。田辺監督は「中村、メヒアを(コンディション的に)1年間守らせるわけにはいかない。DHを空けさせる上でも、捕手を守ってもらう」と説明する。

 中村はシーズン終盤に背中の痛みを訴え、打棒にも影響した。メヒアも巨体を生かした一塁送球に対する捕球はメリットもあるが、狭い守備範囲はデメリットも多い。

 第二に育成時間の猶予を確保できたことだ。

 正捕手の炭谷がFA権を行使せずに残留を決断し、2年契約を結んだ。貴重な「打てる捕手」の人材である森を中期的に育てる時間ができた。鈴木球団本部長は「来年は試合展開によっては右翼手から途中で捕手に入ることもある。実戦で経験を積みやすくなる」と今季は負担を考慮し、1度も行わなかった起用法の可能性を示している。

 即レギュラーは難しいポジションだ。時間をかけて天然素材を培養するしかない。球団として伝統的に高木大成や和田一浩ら捕手から外野手へのコンバート成功例はある。だが森友哉という逸材の能力を、打者という一面だけで終わらせるのは惜しすぎる。

「捕手としてクリーンアップで。ずっとレギュラーで40歳近くまで正捕手で試合に出たい」

 入団時に掲げた大志の実現へ、来年は本格的な門出の1年になる。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY