脇谷にクルーズ…巨人が内野手補強を進める狙いとは

今季は内野手にフル出場なし、来季の起用法は?

 それは今年、チームにフル出場した内野手がいないことが挙げられる。最も先発出場が多い選手でショート・坂本勇人の130試合。次は二塁・片岡の93試合と差が出る。坂本は左ふくらはぎ、片岡は右ふくらはぎを痛めて2軍落ちを経験。2人だけでなく、ユーティリティーの寺内崇幸は左太もも肉離れ、三塁のレギュラーを不動のものとしていた村田修一も右ひじ痛などで離脱した時期があった。そのため、井端が40歳の体にムチを打ちながら、一塁で18試合、二塁で29試合、三塁で21試合、遊撃で10試合と4つのポジションで先発出場をせざるを得ない状況だった。

 時には23歳の吉川大幾が坂本の代役を務め、結果を残した試合もあった。後半は高卒ルーキーの岡本和真が出場したが、シーズン終盤のペナントレースの重責を負わせるには酷な話。入団時から期待されている中井大介や藤村大介も26歳となったが、開花しきれていない。

 内野手の負傷者が続いた7、8月、原監督はオーダーを組むことに苦心。打力のある脇谷、クルーズの加入は、内野手に厚みがもたせられ、著しい戦力の低下が避けられるというのが大きな狙いだった。

 一塁は阿部と来季から新たに加入する外国人選手の争いとなる可能性が高い。遊撃手は坂本が守る。二塁を片岡、脇谷、クルーズ、寺内、三塁を村田、岡本、クルーズで争うだろう。不振にあえいだ村田にも1軍が安泰ではないことを意識させ、中井、吉川、藤村らの1軍登録枠の争いが過熱すれば、全体の底上げにもつながる。大型補強をするのではなく、個々に刺激を与えながら戦力を強化していく意図が今回の補強策には見える。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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