今季の傾向からホークス柳田の“弱点”を探る　得意、不得意はあるのか？

驚異的な打撃見せる柳田、少しの投げミスが致命傷に

「全体でこれだけ数字が出ていると（スライダーで）やられた感じはしていないと思います。これだけやっつけているので、（穴が）低めのスライダーとは思ってないと思います。元々、緩急に弱いタイプだったわけだから、緩急を使いながら膝元のスライダー、フォーク（が有効）。みんながうまく攻めたら、もしかしたら、ドツボにハマるのは山田よりも柳田かもしれません」

　ただ、柳田の凄みが表れているのは、苦手のコースから少しずれると、打率がグンと上がることだ。野口氏は言う。

「これだけ成績を出したバッターなら、そういう傾向が出てもおかしくない。高めの直球を使いたいけど、少し下にいってしまうと、打率が跳ね上がる。しっかりボールゾーンまで上げられるか。

　あと、あれだけ足を上げて振ってくるバッターだから、やはりどのバッテリーも低めを使いたい。ただ、それを投げミスしたボールを柳田はことごとく捉えている。ほとんどの右ピッチャーは元々、スライダーを多くの左バッターの膝元に狙って投げるものです。それを投げきれなかったら（柳田には）打たれる。投げきれれば抑えられる。柳田に打たれたくなかったら、しっかり投げ切る技術をキャンプで身につけてほしい」

　もちろん、来年は柳田もさらに進化するだろう。相手バッテリーの対策を上回ってくる可能性も十分にある。野口氏は「山田もそうですけど、これだけ数字を残したバッターですからね。『今年の傾向でこう』とは言えますけどね。やはり、穴を探すのは難しいですよ」とも指摘する。来季は各球団の新たな“柳田対策”にも注目が集まる。※データはスタッツ・ジャパン提供。

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フルカウント編集部●文　text by Full-Count