216安打の西武秋山に弱点はあったのか “特殊球”を持った投手が鍵に?
苦手2投手には一味違った“特殊球”
武田の代名詞ともいえる高速で縦に割れる“ドロップカーブ”は、「結果球」に限定されるヒートマップ上では2打数0安打と大きくは目立たず、ストレートが決め球となることが多かった。しかし、少なからず影響は存在すると野口氏は分析。「(ヒートマップ上の2球の)カーブは追い込まれた後に打ちに行って、仕方なく凡退という可能性もあります。武田のカーブは基本的に嫌いなんでしょうね」と考察した。
一方、対大谷に関しては、「いつもの大谷のピッチングをしていますね。他の投手がこれをやれと言われてもできませんから、参考にならないでしょう」と言う。高めを中心にストレートだけで17打数2安打と抑え込んだ右腕は“別格”と表現。日本プロ野球で最も多く安打を放った男に対しても、普段通りのストレート攻めで打ち取った大谷の実力が際立つ結果となった。
今回のデータ全体を総合して、野口氏は「特殊ボールがあるピッチャー(が苦手と)いう感じがします」と指摘した。裏を返せば、この結果は、武田の高速で縦に割れるカーブや、大谷の160キロに迫るストレートなど、どんな打者も圧倒するボールがなければ今季の秋山を抑えるのは難しかったということを表している。
多くの左打者が苦手とするインローを除けば、今季の秋山に対して、一般的な投手が攻める際の穴はほぼ見当たらなった。日本が誇るリードオフマンを来季、他球団のバッテリーはどのように攻めるのだろうか。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count