中日で復活した師弟関係　第2の“フルスイング”は生まれるか

「とにかく振り切れ」の教え

　加藤氏といえば、同じく中日の2軍監督に就任した小笠原道大氏を育てた人物として知られる。愛称・ガッツの他にも「ミスター・フルスイング」の異名をとった小笠原の日本ハム入団当時の打撃コーチが加藤氏だった。

「小笠原は入ってきた時から練習熱心。というか、とにかくバットを振り込んでいた。社会人（NTT関東）から入ってきたことで、自分には時間がない、1年目から活躍しないといけないという危機感があった」と振り返る。

　毎日のように居残り練習。時間がある限りバッティング練習を繰り返す小笠原に対して「とにかく振り切れ」と教え続けた。のちに日本球界を代表するバッターとなった小笠原の原点を知る男である。

　師弟関係を念頭に置いた上での今回のコーチ組閣は、1、2軍の連携を円滑に進め、若手が活躍しやすい環境作りにもつながる可能性がある。フルスイングに至るまでの技術指導もこれから若手に施されていくだろう。ドラゴンズの新たな指導体制により、フルスイングで魅了するバッターが出てくることを期待したい。

【了】

フルカウント編集部●文　text by Full-Count