球界を席巻する“大阪桐蔭勢” 西武中村を打ち取る鍵は「高低」にあり!?
「スライダーは投げないほうがいい」「ストライクゾーンで勝負は駄目」
また、一目瞭然なのはチェンジアップに対する弱さ。34打数5安打の打率1割4分7厘と苦しんでいる様子が伝わってくる。野口氏も「(打ち取るための鍵は)あとはチェンジアップでしょう。腕を振ったチェンジアップがどれだけ投げられるか。しっかりと腕を振って投げられたチェンジアップはお手上げ状態ですね」と言及した。
一方で、スライダーはストライクゾーンの中は1打数無安打の真ん中低め以外、すべてが3割超え。高めのボール球はノーヒットだが、5打数無安打とサンプルは少ない。野口氏は「高めのスライダーで結果が出ていないのは、おそらく打とうか打つまいかと思っているところではないでしょうか」と分析した上で、こう続けた。
「スライダーは甘く来たら『いらっしゃい』。スライダーが来たらヨダレが出るんじゃないでしょうか。対戦する投手としては、ストライクゾーンは全般的にアウト。スライダーでこれだけ数字が出てくると、むしろスライダーは投げないほうがいいですね。投げるとしても、絶対にボール球を投げる。しかも、低めにボールじゃなくて、コースにボールを外さないといけないでしょう」
中村が、低めなどボールゾーンへの変化球にも手を出し、打ち取られている率が高いことからも、攻略法が見えてくるという。
野口氏は「高低で勝負するということ。あと、こういうタイプのバッターとストライクゾーンで勝負してはいけないということですね。ストライクゾーンではないところにもしっかり手を出してくれているので」と説明した。
高めの直球や低めに外れるチェンジアップ、フォークなどを有効に使うことが、中村斬りのセオリーということになる。
ただ、天性のホームランバッターは、少しでもミスをすれば、それを逃してくれない。しっかり投げ切る技術がない投手は、来季もおかわり君の餌食になりそうだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count