左打者の“泣き所”も苦にせず ヤクルトの天才・川端はどう攻めるべき？

インコースへの速球を流し打ちする巧打から見える”裏”とは

「インコースのストレートといっても、高ければやられるというところですよね」

　インローのストレートに弱いとはいえ、一段上がった内角真ん中の高さには打率.310と強さを発揮している点にも注目。「この選手が一番分からないですね」と、捕手目線で攻め方に苦労するとの見方を示した。

　それでも、卓越した打撃技術を持つ巧打者を攻略するための術はあるという。

「ケースによって引っ張る、流す、というのをやってくる。例えば、インコース（の速球）を詰まりながら、体を引いてバットを離して、レフトに落とすバッティングを今季はよく見ました。それがもし、インコースに速い球だからできたのならば、アウトコースにフワッとカーブ投げたらどうかなと」

　野口氏は、並みの打者であれば凡打になってしまいがちな、厳しいインコースの速球もヒットにしてしまう川端の打撃技術に着目し、「（こうした打撃は）体がファーストベース側に流れなければできないですから、ふわんと外側にカーブを投げてみると、凡打になる可能性があるでしょう。そういう裏の考え方をしてはどうかな」と指摘した。