足で稼いだ年俸6000万円 巨人・鈴木に習う「極める」能力

勝負所で見せる見事な走塁技術、鈴木の素晴らしさは準備と向上心にあり

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鈴木尚広のこれまでの成績

 巨人の鈴木尚広外野手は代役のいない「代走」のスペシャリストとなった。鈴木が1点を争う好ゲームで一塁ベンチから塁に向かうと、名前がコールされる前にスタジアムがどよめくほど、ファンの注目度が高い。今年は初のサヨナラ打あり、6年ぶりのホームランありと幅の広さも見せつけたが、勝負所での走塁技術は見事だった。

 5月9日、新潟でのDeNA戦でのことだった。同点の11回に代走で出場すると、2球目に二塁への盗塁を成功し、3球目に相手の暴投で三塁へ。4球目に打者・小林のショートゴロで決勝のホームを踏んだ。

 鈴木の足だけで勝利を奪い取るシーンもあった。鈴木が出てきたら空気が変わる。契約更改交渉では1000万円アップ。代走の切り札として年俸6000万円の評価を勝ちとった。今年はプロ19年目でオールスターに監督推薦ながら初出場。名実ともに、それだけの価値のある選手である。

「自分にとってみてはそれは当然のことと思っています」とサラリと言いのけるが、鈴木の素晴らしさは準備と向上心が失われないことだ。若い頃はケガばかりをしていたが、ケガをしない体づくりを心がけることで、成績が伴ってくることを学んだ。

 普段の練習でも目を見張るものがある。二塁へのスライディングだ。試合前にも関わらず、本気で鋭いスライディングをするのは鈴木くらいだろう。

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