最良の選択に? 青木宣親、マリナーズとの早期契約の裏側
青木に対して条件を下げる動きも、最大の評価をしたのがマリナーズ
昨季後半に頭部への死球を受けた青木は、その後遺症に悩まされて思うようなパフォーマンスを見せることができなかった。そのため、古巣ジャイアンツは球団オプションだった2016年の1年550万ドルという契約を行使せず。だが、FAとなって1カ月を過ぎた12月4日にはマリナーズに入団。1年550万ドル+最大150万ドルの出来高、さらに今季一定の基準をクリアすれば2017年には年俸600万ドル+出来高の契約が行使されるという内容の契約を勝ち取った。
順当に考えて、残念ながら「脳震とうの後遺症」というミソがついてしまった青木が、大型あるいは複数年契約を結ぶことは難しい。特に、近年はメジャー全体が頭部への負傷に対して慎重な姿勢を見せている。青木のプレースタイルや人柄を高く評価しながらも、万が一、後遺症を再発させた時に備えて、少しでも安く契約したいという動きがあった。
基準となるのは、ジャイアンツが権利行使を踏みとどまった1年550万ドルという契約。基本給を年俸550万ドル以下に抑え、出来高を多めにつけるオファーが届く中で、最大の評価をしたのがマリナーズだった。
青木に対するマリナーズの評価=契約は、基本年俸という部分ではジャイアンツと変わらない。加えて、懸念される脳震とうの影響は心配ないとパフォーマンスで証明すれば、ボーナス+来季契約も手に入る。越年交渉に持ち込んでみたところで、これ以上の契約が引き出せたかと言えば、おそらく答えはノーだ。