8年ぶり200勝投手誕生へ 広島・黒田に課題は? 「47球」少なすぎた球種

メジャー時代の好調時に多かったカーブ、「絶対にもっと使うべき」

「やはり来年の課題というか、私の希望としてはカーブですね。結果が出ていないからかもしれないけど、もうちょっと多くていいかなと思います。絶対にもっとカーブを使うべき。黒田のカーブは良いカーブで、普通のカーブではないですから。緩い球は投げる方もサインを出す方も勇気のいる球種ではあるんですけど、でもやはり投げるべきですよ。対戦バッターの頭がツーシームとスプリットになってるから、左バッターの外角に投げたら面白いと思う」

 圧倒的な投球術を誇る右腕だが、カーブが増えればさらに投球に幅がでると野口氏は見ている。メジャー時代にも、好調時は有効に使えていた球種だという。

「47球は少なすぎますね。26試合に先発して47球なので、1試合に2球も投げていないという計算になります。最低でも1試合に2桁は投げるべき。黒田なら1試合で10球でも少ないくらいだと思います。去年のピッチングが悪かったとは言わないですけど、メジャーで良かった時は、間違いなくカーブの球数はもっともっと多かったはずです。(ドジャース、ヤンキース1年目まで女房役だった)ラッセル・マーティンはよく投げさせていましたよ。やはり投球術を持っているだけに、カーブを使えるピッチャーだけに、是非使ってほしい」

 メジャー7年間で黒田が投げたカーブの割合は3.9%と決して多くない。ただ、11勝13敗ながらキャリア最高の防御率3.07をマークしたドジャース最終年の2011年は5.3%、16勝(13敗)と投球回219回2/3がいずれも自己最多を記録し、防御率3.32と安定した投球で移籍1年目からヤンキースの地区制覇に大きく貢献した2012年は7.4%。特にいい成績を残した2シーズンでカーブの割合は増えていた。黒田にとって、1つの鍵となる球種であることは間違いない。

 野口氏は「あるだけで邪魔になる球種なので、カーブをもっと使えれば、もっと黒田らしいピッチングになる」と強調した。今季、日本球界で8年ぶりに200勝投手が誕生する可能性は高いが、カーブの使い方次第では更に白星を積み重ねることになりそうだ。※2015年データはスタッツ・ジャパン提供。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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