ロッテドラ1平沢、成長の裏に「ロープ」あり 仙台育英に根付く名物トレ

ソフトバンク上林も効果実感、平沢「甲子園でのホームランは想像以上」

 歴代の選手も挑んできた“ロープ”。昨シーズンのウエスタン・リーグで首位打者、最多盗塁など6つのタイトルを獲得したソフトバンク・上林誠知選手は先月末、仙台育英で練習した際も1日5本、登り下りした。ルーキーイヤーのオフに仙台育英を訪れた際も行っており、「体に染み込んでいるから、やりたくなってしまう」と高校時代のメニューで原点回帰。「腕だけが大変そうに見えて、全身が鍛えられる。高校の時にやっていてよかった? それはもちろん。それで強くなった部分がある」と効果を実感している。

 平沢も高校3年間、ロープに挑んできた。特に、高校3年の6月に右足小指を死球で骨折した頃は、1日10本のロープが課題だった。高校野球引退後、こんなことを話している。

「怪我をしていた時期は体を大きくすることだけを考えていました。ロープを1日10本、登るのはきつかったですが、バッティングが良くなると信じていました。怪我をした後はいいことしか起きない、とも。甲子園でのホームランは想像以上でしたけど」

 通常の練習はできなかったが、体重が落ちやすい時期にバランス良く鍛えられたことで夏の甲子園の3本塁打につながったと考えている。まさに怪我の功名だった。

 7日の自主トレで高校3年間のロープの“登り納め”をした平沢。まだまだ成長過程の18歳だ。プロではまた違ったトレーニングで“大人の体つき”になり、さらなる進化を見せてくれるだろう。

【了】

高橋昌江●文 text by Masae Takahashi

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