「明日の保障」がない場所から―巨人に育成入団したオールドルーキーの挑戦
ハングリー精神は誰にも負けない、1日も早い支配下登録へ武器はカットボール
「明日の保障なんてない戦いだった。生活も厳しかったです」
アメリカでの戦いをこう振り返る。金銭的に余裕もない。食事がピーナッツバターが塗られたパン1枚の時もあった。言葉の壁も、もちろんあった。「生き残るのに必死だった」。ハングリー精神は、他球団の新人選手を見渡しても、誰にも負けないだろう。「年も年なので、1年1年が勝負だと思っています」。7月には28歳になる。育成契約から、1日でも早い支配下登録を目指していく。
大竹の強力な武器は、打者の手元で小さく曲がるカットボール。打ちづらく、外国人投手が得意とするボールは、米国のマイナーキャンプや米独立リーグに挑んできたからこそ、習得することが出来た。メジャーリーガーばりの”きたない”速球で打者のバットをへし折るシーンが見られるか注目だ。
巨人では過去に、米マイナーリーグからテスト入団で育成指名され、支配下へと這い上がった左腕・山口鉄也の例もある。大竹も“育成ドリーム”をつかめるか。アメリカと違い、シーズン中に契約解除される可能性は極めて低い。「明日の保障」を気にする必要はない。
華やかにプロのスタートを切った選手もいるが、最後のチャンスに挑む選手もいる。巨人の期待を背負った「オールドルーキー」の挑戦を見守りたい。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count