3000球以上で制球ミス極少、広島“最強助っ人左腕”ジョンソンの絶品投球術
左打者外角&右打者内角ボール球スライダーで50打数2安打…光った助っ人左腕のテクニック
2月から春季キャンプがスタートするプロ野球。各球団の補強も大詰めを迎え、多くの助っ人外国人も続々と入団が決まっている。
昨年の外国人選手の中で一際目立ったのは、広島のクリス・ジョンソン投手だった。来日1年目でリーグ1位の防御率1.85を記録。同僚の前田健太(現ドジャース)に次ぐ同2位の14勝(7敗)を挙げ、チームを牽引した。
“リーグNo.1左腕”は、どのような投球内容で好成績を残したのか。来日2年目のシーズンへ向けて課題はあるのか。ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜と4球団で捕手として活躍した野球解説者の野口寿浩氏に、昨年の全投球の分布がわかる「球種別コース比重ヒートマップ」、結果球の「被打率別ヒートマップ」から、その投球を分析してもらった。
野口氏がまず目をつけたのはスライダー、カーブの被打率の低さだ。この2つの球種では、左打者の外角、右打者の内角へのボール球で、低被打率を意味する「青色」が目立った。
特にスライダーでは、このゾーンは合計50打数2安打と抑え込んでいることに注目。「左打者にアウトコースのボール球を打ちに来させているのは、ジョンソンのテクニックだと思います。右打者もギュッと食い込まれているでしょう」。左腕がいかに左打者の一番遠いゾーン、そして右打者の膝元を有効に使っていたかが浮き彫りになった。
さらに、右打者の内角へ食い込むボールの精度の高さは、その反対に外角へ落ちるチェンジアップへの相乗効果ももたらすと指摘する。