3000球以上で制球ミス極少、広島“最強助っ人左腕”ジョンソンの絶品投球術
ヒートマップに白、「コントロールが素晴らしかったということ。お見事」
「昨年で、直球を右打者の内角に食い込ませる“クロスファイアー”を意識させたから、今度は外角が空いてくると思うんです。もうちょっと意図的に内角高めに投げられれば、チェンジアップが生きてくる。チェンジアップの被打率(2割5分8厘)も、スライダー(1割8分1厘)と同じくらいになると思います。投球を見た感じでは、別に右打者の外角半分に投げるのが苦手という感じではない。去年も内角半分が通用したから、そこにどんどん投げていった感じですよね。今年はどんどん思い通りの投球ができるような流れにあります」
このように新シーズンの配球も組み立てやすいとの見方を示した。
また、野口氏は「球種別コース比重ヒートマップ」を見渡して「ヒートマップで白いエリアがここまで目立ったのはジョンソンだけでしょう。コントロールが素晴らしかったということでしょうね。お見事ですよ。チェンジアップなんて右打者の内角高めが真っ白ですからね」と絶賛した。
ジョンソンは昨季、チェンジアップを右打者には340球投げているが、左打者には19球しか使っていない。そして、ヒートマップを見ると、右打者から見てストライクゾーンの「内角高め」のゾーンは、1球も投げていないことを意味する「白」になっている。内角や高めのボール球も1球もない。右打者の外角へと落ちていくことで威力を発揮する球種でコントロールミスがほとんどなく、左腕が思い通りの投球を展開している様子がデータから読み取れる。
「まさか先発投手のヒートマップでストライクゾーンに“白”が出てくるとは思わなかったです。シーズン全部で3000球以上も投げてるのに、ストライクゾーンの中に“白”が出てくるのは凄いこと。抜けてしまったというボールが出てきてもおかしくない。その周りのゾーンへのボールも少ないですね」
野口氏はジョンソンの圧倒的な制球力に感嘆した。