3000球以上で制球ミス極少、広島“最強助っ人左腕”ジョンソンの絶品投球術
同僚・黒田も得意とする「バックドア」習得で”鬼に金棒”?
昨季の投球からは、文句の付けようがないデータが出た。新シーズンに向けて、さらに幅を広げるポイントを野口氏に挙げてもらうと、昨年NPBに復帰した同僚・黒田も使う「バックドア」に可能性があると指摘した。外角のボールゾーンから変化してストライクゾーンに入ってくるボールのことだ。
「ここまでコントロールに自信があるのであれば、右打者の外角からストライクゾーンに入れるスライダーがもうちょっと出てくると、もっと面白くなるのではないかと。(ジョンソンなら)できるのではないでしょうか。コントロールはお見事ですから」
投手目線で描かれているヒートマップでは、スライダーは右打者の内角を意味する右半分を使った投球が多かった昨季のジョンソンだが、反対に左側のボールゾーンから入れる「バックドア」を持ち球に加えることができれば、まさに”鬼に金棒”となる。来日2年目で、助っ人左腕の投球スタイルはさらなる進化を遂げることになるかもしれない。
野口氏は、日本ハム・大谷やソフトバンク・バンデンハ―クら、精密な制球力を武器としない豪腕のヒートマップ分析では、捕手目線で「ストライクゾーン内は4分割(内角高め・内角低め・外角高め・外角低め)の要求となる」と話した。しかし、今回のジョンソンに関しては「9分割どころではないでしょう。このピッチャーは野村(克也)さんが使う81分割でもいける。リードする捕手は楽しいでしょうね」と、より精密な要求ができる投手と位置付けた。
昨年の球界において稀有なデータをたたき出した左腕。前田が去り、投手陣の柱としての活躍が望まれる新シーズンでも、絶品の投球術に期待がかかる。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count