前オリ監督・森脇氏が振り返る3年間 「パを引っ張れる存在になってほしい」

3年の指揮で訴え続けた「維持は後退、変化こそ成長」

 2017年から2軍の球団施設、本拠地を大阪市・舞洲地区に移転、今季から1、2軍合同で宮崎春季キャンプを行うなど大改革を進めるオリックス。その中でも、2013年から15年の3年間、監督を務めた森脇浩司氏(現球団シニア・アドバイザーSA)の存在が、球団、チームの意識改革を促したといっても過言ではない。

 今回は激動の3年間を指揮官として過ごした森脇氏に振り返ってもらった。

――まずは3年間、お疲れさまでした。何といっても印象に残っているのは2014年の「10・2決戦」。王者・ソフトバンクと直接対決最終戦(ヤフオクドーム)までもつれ込んだ優勝争い。惜しくも敗れ2位となったがプロ野球ファンに大きな感動を与えた。

「圧倒的なチーム力を誇るソフトバンクが終盤で少しつまずいた分、我々にもチャンスが出てきた。就任当初からバッテリーを含めた守り、走塁力を前面に出し、固定観念にとらわれない攻撃的な野球を目指していましたが、2014年は少しづつ形になってきた年。先発の金子を含め、中継ぎの比嘉、佐藤達、馬原、岸田、平野佳らが勝利の方程式としてよく頑張ってくれました。打者の方でも安達、伊藤が脇役として、さらに嘉男(糸井)、T―岡田と打線の軸が決まり前半はペーニャが4番として活躍してくれたのが大きかった」

――このシーズンはこれまで芽が出かけていた、伸び悩んでいた選手たちが一気に覚醒した年だった。例えばT―岡田は体重を減らし見違えるような体付きになったり、西には先発の中心選手としての自覚が芽生えていた。

「外から見ていた時(ソフトバンク時代)も素晴らしい能力を持った選手が多いなという印象でした。2012年にオリックスにお世話になることになって、色々と選手たちのことも分かってくる部分もある。私はこれまで維持は後退、変化こそ成長という言葉を使ってきました。これは毎年のように本塁打王を獲得してきた王さん(現ソフトバンク会長)でさえ翌年に備え打撃フォームを変化させ、成長していったことから、私自身も教わってきた。

 わずかな変化を恐れていたら、いつまでたっても成長は見られない。過去にこだわりすぎると歩みが止まることもあると。選手たちには恐れず思い切って事を起こして欲しいと言ってきました。T―岡田にはキャンプインまでに設定体重を決めて達成しなければ2軍スタートだと伝えていました。彼はしっかり設定された体重に仕上げてきた。素晴らしい変化を見せてくれましたね」

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