前オリ監督・森脇氏が振り返る3年間 「パを引っ張れる存在になってほしい」
金子には「お前を軸として戦っていく、というメッセージ」
――2013年にはオープン戦など実戦で一度も登板のなかったエース・金子を「ぶっつけ開幕」として指名したことも話題になりました。
「確かに周囲の方は疑問に思うこともあったと思います。博打を打ったとも言われましたが(笑)、私は無理をさせても無茶はさせません。春のキャンプ中に右肘を痛めて登板のない投手が本当に大丈夫なのか?、と。しかし、金子とは何度も話す機会もありましたし、当然ですが肘の状態も確認していました。
元々、金子はブルペンにはほとんど入らない投手。実戦で状態を確認したいという意向もあって投げられる状態だった。また、当時の金子は素晴らしい能力を持っていましたが、私の中ではあともう一皮剥けて欲しい部分があった。彼自身も開幕を投げるのに不安はなかったが、どこか躊躇する部分があり、その背中を押してやるのも私の仕事だと。この1年、また、これからのオリックスはお前を軸として戦っていく、というメッセージを込めた部分もありました」
――昨季はケガ人が相次ぎ5位に終わったが、オリックスは着実に進化する過程を歩んでいる。今後のオリックスに期待することは?
「これまで縁があって数々のチームに携わることができました。もちろん、パ・リーグを引っ張れる存在になってほしいです。そして関わることができた全ての選手、首脳陣、チーム関係者の方々のさらなる発展を願っています。私も微力ながら力になれればと思っています」
◇森脇浩司(もりわき・ひろし)
1960年8月6日、兵庫・西脇市出身。55歳。社(やしろ)高から1978年ドラフト2位で近鉄入団。84年に広島、87年途中に南海に移籍し、96年限りで引退。通算843試合、打率2割2分3厘、14本塁打、75打点。1997年から2009年までダイエー、ソフトバンクでコーチや2軍監督を歴任し、06年には胃がんの手術を受けた王監督の代行を務めた。11年に巨人の2軍内野守備走塁コーチ。12年からオリックスでチーフ野手兼内野守備走塁コーチを務め、同年9月に岡田監督の休養に伴い代行監督として指揮を執り10月8日の最終戦終了後に監督就任会見を行った。監督通算成績は341試合202勝193敗11分け。勝率5割5 分1厘。178センチ、78キロ。右投右打。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count