38歳ベテランが育成で再出発…第1回WBC制覇から10年、優勝メンバーの今
年俸300万円で再出発する多村
2015年シーズンのオフにDeNAを戦力外となった多村仁志外野手が中日と育成選手契約を結んだ。年俸は300万円。昨季の4600万円から大幅ダウンの条件で再出発を図る。今季はプロ22年目。3月に39歳を迎えるベテランは新天地で復活を果たせるだろうか。
多村と言えば、2006年の第1回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)優勝メンバーとして記憶しているファンも多いかもしれない。入団10年目の2004年にキャリア最多の40本塁打をマーク。球団史上初の3割、40本塁打、100打点を記録し、翌2005年も31本塁打を放った。迎えた2006年は王貞治監督率いる日本代表に選出されて第1回WBCに出場。チーム最多の3本塁打、9打点で優勝に貢献した。
あれからちょうど10年が経過しようとしている今、多村はプロ野球人生をかけた挑戦に踏み出そうとしている。では当時の優勝メンバーは今、どのような環境に身を置いているのだろうか。以下に紹介したい。※カッコ内は当時の所属。
○松坂大輔(西武)
当時、決勝のキューバ戦で4回1失点と好投するなど活躍し、大会MVPに輝いたエース。翌2007年にはレッドソックス移籍を果たし、ワールドシリーズ優勝も経験。2015年は9年ぶりに日本球界に復帰したが、ソフトバンク1年目は負傷の影響で1軍登板なしに終わった。昨夏に手術も受け、今季復活を目指している。
○上原浩治(巨人)
準決勝の韓国戦で好投するなど先発の柱として活躍。2008年オフにFAでオリオールズに移籍すると、2010年にリリーフに転向。2013年には守護神としてレッドソックスをワールドシリーズ制覇へ導いた。昨季も負傷離脱するまで守護神としてチームを支え、41歳となる今季も救援の柱として期待されている。
○薮田安彦(ロッテ)引退
当時、中継ぎと貢献した右腕も40歳となった2013年限りで引退を表明。NPB通算520登板で48勝72敗、67セーブ、112ホールド、防御率3.81。またロイヤルズに所属したMLB通算では43登板で3勝4敗、防御率7.14だった。引退後は野球解説者などを務めている。
○和田毅(ソフトバンク)
大会の6年後にメジャー移籍を果たした左腕はオリオールズで左肘を負傷し、トミー・ジョン手術を実施。それでもカブスでマイナーから這い上がり、通算5勝(5敗)を挙げた。今季は5年ぶりに古巣ホークスに復帰する。
○清水直行(ロッテ)引退
2012年オフにベイスターズを戦力外となり、その後、引退。解説者を務めるなどした後、ニュージーランドで野球の普及に着手。現在はニュージーランド野球連盟のゼネラルマネジャー補佐、同国の代表統括コーチを務める。通算294登板、105勝100敗、防御率4.16。
○藤田宗一(ロッテ)引退
大会後、巨人、ソフトバンク、独立リーグを経て2012年に引退。通算600登板、19勝21敗、8セーブ、77ホールド、防御率3.89。現在は飲食店のオーナーを務める一方、少年野球チーム「吉川美南ボーイズ」のヘッドコーチも務める。