中日多村は“恩人”落合GMの元で輝くか 育成から復活した中村紀と違いは?
年俸300万からの復活へ、動体視力の衰えとの戦いも課題に
ただ、「右の代打の切り札としてやってくれれば」と、かつての中村紀同様の復活劇への期待も寄せる。当然、現場にいなくても、球団所属の選手に落合GMがアドバイスを送ることは可能だ。
「多村は本当に、落合さんの現役の時をやや小さくしたようなバッターでした。(自分が捕手として)ボールを捕ろうとしたときに、『ヒュッ』っとバットが出て持っていくんです。ポイントが近く、ボールを長く見られている証拠ですよね」
現役時代、何度も対戦経験を持つ野口氏は、その能力の高さについて、改めてこう語る。
「目で見て、情報を伝達する力は年齢に影響するので、ポイントはやや前にいかざるを得ないと思うですよ。そうなると不利かなという感じがします」。3月に39歳となる男の打撃スタイルに懸念を示しながらも、「もう1回タイミングを戻して、今までライトスタンドに持っていっていたのが、右中間に二塁打でもいいと思うんです。そのときのための動体視力と反応だけやっておけば…」と、トレーニング次第で復活の可能性もあるとの見方を示した。
育成契約からスタートする2016年。今まで残してきた実績は関係なく、キャンプ、オープン戦から結果を出すことが求められる立場に変わる。”恩人”の落合GMの言葉や指導で再び輝きを取り戻すのか。もしくは、自らの力で成績を残し、支配下登録を勝ち取るのか。年俸300万円。昨季の4600万円から大幅ダウンの条件で再出発を図るベテランの新シーズンに注目が集まる。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count