元阪神・呉昇桓はMLBで通用するか レ軍・田澤との比較で見る「直球」の壁
カージナルスと契約した元阪神守護神、メジャーで成功できるか
今オフ、侍ジャパンでも先発ローテの柱となった前田健太投手(前広島)はドジャースに入団した。また、韓国と日本でクローザ―の地位を築いた呉昇桓(前阪神)はカージナルスで単年契約を結び、セットアッパーとして起用される可能性が高まっている。
制球力や変化球、守備力も含め総合評価が高い前田に対し、呉昇桓の武器は「石直球」と称される重い球質のストレートだ。だが、果たして力自慢の強打者ひしめくMLBの舞台で、右腕の持ち味は通用するのか。
ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜と4球団で捕手として活躍した野球解説者の野口寿浩氏は、「『重い』と言われている真っすぐが、メジャーのパワーと比較してどうなのか。真っすぐにこだわってしまうと、日本で2年連続セーブ王を獲った圧倒的な投球というのはまず無理だと思います」と指摘する。
同氏が不安視するのは球威で抑え込むことができるかという点とスタミナ面の2つ。「『重い』と言われている真っすぐが、『捉えた』と思っても失速するような、そういう球を投げられるかどうかですよね。開幕戦の日から、シーズン最終戦まで同じ質で投げられるかどうか。そうでないと厳しい気がします」と印象を語る。
比較対象として挙げるのは同じアジア出身投手の1人であるレッドソックス田澤純一のストレートだ