ホークスなぜ強打者育つ? 松田宣浩が明かす王者の伝統「何も考えずに…」

「大雑把に見えて」細部まで徹底、3連覇へ死角なし?

 もちろん、この「フルスイング」の文化は、ソフトバンクの強さを生み出す1つの要素でしかない。試合を見ていれば、走塁意識の高さも目につく。松田も、捕手がボールをこぼすようなことがあれば、すかさず次の塁を陥れる。

「やっぱり野球は打つだけじゃない。どうしても、ピッチャーだったら速い球を投げる、バッターだったら遠くに飛ばす、こういう部分だけがクローズアップされがちです。ホークスは大雑把(な野球)で勝っていると見えがちなんですけど、細かいところはやっぱり厳しく、口酸っぱく言われている。(気を)抜けるところがないので、集中している。『キャッチャーが弾いたらすぐ(次の塁に)行け』と常に言われます。それは、ファームの時からずっと言われ続けています」

 ソフトバンクがなぜ常勝軍団になっていったのか。松田の言葉を聞けば、その理由が分かる。

 今季も3連覇へ向けて死角はないと見られている。生え抜きの選手を中心に脈々と受け継がれる強さがある限り、黄金時代に終わりは見えない。球団が掲げる10連覇も、決して大げさな目標ではないと言えそうだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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