ラミレスDeNA浮沈のカギ 幕開ける正捕手争い、最有力候補は?
ラミレス監督が掲げる理想は「長期にわたって勝ち続けるチーム」
社会人3年目でプロ入りを果たした25歳は、捕手陣では28歳の黒羽根に次いで2番目に年長。1月上旬から始まった新人合同自主トレーニングでは率先して声を張り上げ、全体練習後には居残りでゴロ捕球を繰り返すなど、即戦力の自覚も十分。「1年目がダメなら、もう終わりという気持ちでやっている」。気持ちの強さと持ち前のリーダーシップは、これまでの捕手陣になかったもの。開幕マスクをかぶる可能性を秘めている。
昨シーズン捕手最多の74試合に出場した嶺井博希は「試合に出ただけ。勝利に貢献できなかった。たまたま」と満足することはなかった。シーズン後半から先発を張り、課題であった打撃面も上向いた。
昨季はプロ野球ワーストタイの68暴投を記録した試合でマスクをかぶり、小さな綻びの怖さをあらためて突き付けられた。プレースタイル同様、派手さはないが、謙虚に取り組む姿勢は投手陣からの信頼は厚い。今季こそ、その思いに報えるか。沖縄尚学高、亜細亜大で日本一にそれぞれ立ち、そろそろプロの世界で結果をもたらしたい。
「1度だけ優勝するのではなく、長期にわたって勝ち続けるチームが理想」。3月25日の開幕戦の先発マスクを託された一人はきっと、ラミレス監督の大きな夢をともに背負うことになる。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count