2000本安打へ、ロッテ福浦の想い 「四球求めずヒット狙ったら俺は終わり」
2000本安打まで88本、プロ23年目の大ベテランが偉業達成に向けてキャンプへ
「一年は早いね」。キャンプ出発前日。福浦和也内野手はいつものように本拠地QVCマリンフィールドに訪れ、体を動かしていた。練習を終え、誰もいないロッカーで椅子に腰を下ろすと、スッと息を吐いた。時計の針は夕方の6時を示していた。プロ23年目、通算2000本安打まであと88本。偉業達成の注目を集めるマリーンズの大ベテランはオフが終わりを迎え、一人の時間に浸っているようだった。
「歳をとるほど、一年が早く感じるというけど、本当にそうだね。ついこの間、シーズンが終わったと思ったら、もうキャンプ。何年やっても、キャンプ前は落ち着かないなあ」
野球人にとってキャンプインは「お正月」と言う人がいる。キャンプ出発前日。自宅を一か月以上空ける事になる最後の夜は、誰もが感傷的になる。それは23回目のキャンプを迎える福浦も一緒だった。練習を終え、一息つくと、急いで帰路についた。
「子供たちと遊んであげないとね。これから長い事、寂しい思いをさせてしまうから。今日は一緒に食事をして、いろいろと子供と話をするよ」
勝負師のその顔が一瞬、2人の息子を持つ父の顔に戻った。ファンはそんな男の2000本安打達成を待ち望んでいる。