阿部の正捕手復帰で、巨人が「突き抜けるかも」!? 3つの相乗効果とは

新監督への安心感ももたらす捕手復帰、阿部自身の打撃復活も?

 阿部の捕手復帰は単なる「正捕手固定」にとどまらず、数々の相乗効果を生むと野口氏は指摘する。1つ目は『高橋新監督の安心感』だ。

「去年も阿部がマスクをかぶった試合はチームが急にどっしりしましたからね。他の捕手を据えるのであれば、(監督2年目となる)来年以降ではないでしょうか。1年目なので、落ち着いて(監督を)やるために『(捕手を)やってくれ』というところですよね」

 昨年まで現役選手としてプレーし、00年代の巨人をともに牽引した高橋新監督にとって、阿部が捕手を務めることで得られる安心感は計り知れないという。

 捕手は、グラウンド内での監督、あるいは司令塔と称される。このポジションを若い捕手や移籍して間もない捕手が務めるのか、チームを熟知した阿部が守るのかでは、監督の役割も格段に異なってくる。新監督としては攻撃面、継投面などに集中しやすくなり、チームの好成績にもつながるというわけだ。

 さらに2つ目のメリットとして、野口氏は『阿部自身の打撃面への好影響』を挙げる。

「『ファーストは(送球を)捕るだけだから誰でも出来る』と思いがちですが、とんでもありません。阿部も、捕手特有の捕球の柔らかさがあったとしても、一塁の守備では問題もありました。慣れてないポジションを守らなければならないということなので、ファーストだからといって『打撃も大丈夫』とはならないですよね」

 一塁手にコンバートされた昨年は、プロ2年目以降最低の打率.242に終わり、ホームランも15本にとどまった。一般的に守備の負担が軽いとされ、打撃型の選手が多い一塁だが、これまで14年間捕手一筋の阿部からすると、プレー内容もルーティーンも全てが異なる。捕手への復帰は強打者としての打棒を取り戻すためにも、プラスに働くと野口氏は予想する。

 ただ、打撃については「阿部の場合は、体と目ではないでしょうか。動体視力。年齢を重ねると、目の筋肉も衰えるんです」と課題も指摘。歴代屈指の”打てる捕手”は今季、バットでも復活を見せることができるのだろうか。

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