一流のプレー生み出すグラブ 好守の裏に信頼できる“相棒”との出会い

高校球児には「3年間同じグラブを使うことをオススメ」

 そうやって、硬い革が手に馴染む頃にはグラブとの信頼関係もできあがってくるんですよね。そろそろいいなと思ったら、仕上げの儀式のように実戦で使ってみます。というのも、毎回、守備につくたびにグラブをパンパン叩く癖があるのですが、それを9イニングやっていると、しっかりと好きなグラブの形になるんですよ。ひと試合終えたときには、練習用のグラブが公式戦用に昇格するというわけです。

 手入れに関しては、高校球児にはあまり参考にならないかもしれないですね。僕らが使っているグラブはできあがった時点で非常に完成度が高いものなので、よほど汚れが気になるとき以外は、拭くくらいで何もしません。また、本革なので、湿気に弱く、夏場になると若干へたるんですよ。へたりは守備の不安要素につながります。そのために、1年で交換するようにもなりました。

 ただ、これはプロならではの話ですね。高校時代は僕もそうでしたが、3年間同じグラブを使うことをオススメします。練習後に毎日手入れしながら大切に使うことで、グラブに愛着が湧いてくるじゃないですか。それを続けることで「これだけちゃんと手入れしているんだから、このグラブでミスすることはない」と自信につながったりするんです。

 しっかり手入れすることでギアとの信頼関係が深まるだけでなく、技術向上にもつながっていくと思うので、グラブ磨きを習慣にしてください。

◇栗山巧 Takumi Kuriyama
1983年9月3日生まれ、兵庫県出身。177cm、85kg、右投左打の外野手。02年ドラフト4巡目で西武ライオンズ(現 埼玉西武)に入団。08年に最多安打を獲得しリーグ優勝と日本一に貢献、ベストナインにも選出。12年からはキャプテンに就任、これまでにゴールデングラブ賞、ゴールデンスピリット賞等を受賞している。

【了】

(記事提供:Timely! web

村上幸●文

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